【注目】前日に「買われた株!」総ザライ (1) ―本日につながる期待株は?―

■IGポート <3791> 2,271円 (+400円、+21.4%) ストップ高
IGポート <3791> [東証S]がストップ高。同社とサンリオ <8136> [東証P]は17日の取引終了後、資本・業務提携すると発表した。IGポートはサンリオを割当予定先として、自己株式の処分を行うほか、IGポートの石川光久社長と石川氏の資産管理会社が保有する株式の一部を市場外の相対取引でサンリオに売却する。サンリオによる株式取得総額は約17億6000万円で、IGポート株の保有比率は4.98%となる見通し。IGポート株に対しては、サンリオによる出資をサプライズ視した買いが集まった。サンリオはIGポートへの資本参加により、サンリオが保有するキャラクターIPについて、IGポートの映像制作機能やネットワークを活用する方針。日本市場だけでなく北米・欧州を中心とした海外市場でのIP認知度の更なる向上を図る。IGポートの制作作品に登場するキャラクターに関しては、サンリオの事業基盤を活用し、商品化・ゲーム化などを通じたメディアミックス展開を進め、新たな事業機会を創出する。両社で新規IPの創出にも取り組む。
■環境フレンド <3777> 36円 (+5円、+16.1%)
環境フレンドリーホールディングス <3777> [東証G]が急騰。17日の取引終了後に関東財務局に提出された変更報告書で、シンガポールに拠点を置く資産運用会社ORCHID PLUSの株式保有割合が21.37%から29.78%に上昇したことが判明しており、需給思惑的な買いが入ったようだ。また、同じく17日の取引終了後に関東財務局に提出された大量保有報告書で、MC(東京都港区)が新たに27.61%を保有していることも判明している。なお、保有目的はいずれも純投資としている。
■ナノMRNA <4571> 149円 (+17円、+12.9%)
NANO MRNA <4571> [東証G]が急騰。17日取引終了後、膠芽腫(こうがしゅ)を対象とした「TUG1 ASO」の医師主導第1相臨床試験で、最終の投与用量レベルとなる第4段階に到達したと発表した。この治験は昨年2月に再発膠芽腫を対象として国内3施設で開始されたもので、今年度内には患者登録が完了できると見込んでいるという。順調な進捗状況が好感された。
■タイミー <215A> 1,933円 (+165円、+9.3%)
タイミー <215A> [東証G]が3日ぶり急反発。モルガン・スタンレーMUFG証券が17日、タイミーの目標株価を2200円から2300円に増額修正した。投資判断は「オーバーウェート」を継続する。低調だった飲食向けが底打ちの状況となり、物流向けの受入れ負荷軽減プロジェクトなど短期の利益拡大につながる施策が相次いで講じられていると指摘。IPOからおよそ1年となり、バリュエーションは安定してきたとしたうえで、適用バリュエーションを見直し目標株価を引き上げた。介護やホテル向けも着実に拡大していると評価した。
■ヘッドウォ <4011> 3,730円 (+305円、+8.9%)
ヘッドウォータース <4011> [東証G]が3日続急伸。18日午前11時、FastLabel(東京都新宿区)と協業し、業界特化型AIエージェントや小規模言語モデル(SLM)、次世代型の情報活用アーキテクチャーであるエージェンティック・ラグの開発強化に取り組むと発表。これを材料視した買いが入ったようだ。AIモデルの精度を高めるためにデータの質の最適化を図るデータセントリックAIの開発に関し、データ収集や生成・アノテーションに高度な専門企業と協業。自動車や金融、運輸、製造、医療分野を中心に業界特化型AIエージェントの開発を進める。また、リソース効率が高くコストパフォーマンスに優れるSLMで、ファインチューニングの高度化による開発期間の短縮やパフォーマンスの向上といった効果を生み出し、企業の意思決定や業務効率化の支援に寄与していく。
■日清オイリオ <2602> 5,090円 (+400円、+8.5%)
東証プライムの上昇率3位。日清オイリオグループ <2602> [東証P]が急反発。17日の取引終了後に自社株買いを実施すると発表したことが好感された。上限を250万株(自己株式を除く発行済み株数の7.67%)、または100億円としており、取得期間は6月18日から来年3月31日まで。東京証券取引所における市場買い付けのほか、50万株を上限に自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)による買い付けにより取得。また、これにより取得する自社株すべてを26年4月30日付で消却するとあわせて発表している。なお、18日午前10時には、同日朝のToSTNeT-3により43万5300株を20億4155万円で取得したと発表した。
■サイオス <3744> 398円 (+30円、+8.2%)
サイオス <3744> [東証S]が急反発。同社は18日、傘下のサイオステクノロジーが米AI関連企業のBoomiと業務提携すると発表した。これにより、iPaaS(アイパース)製品「Boomi Enterprise Platform」を同日から日本国内の販売代理店として販売する。加えて、開発支援や運用のコンサルティングサービスも提供するという。これが手掛かりとなった。
■スピー <4499> 2,793円 (+186円、+7.1%) 一時ストップ高
Speee <4499> [東証S]が3日続急伸、一時ストップ高となった。米連邦議会上院が現地時間17日、法定通貨と連動する暗号資産であるステーブルコインの規制に関する「ジーニアス法案」を可決した。法案は下院に送られることとなるが、今後規制の枠組みが整えば、ステーブルコインの普及拡大につながると期待されている。スピーは子会社のDatachainがステーブルコインを活用した送金インフラなど実用化に向けた開発に携わっており、関連銘柄として物色人気化した。海外メディアによると、法制化にあたりドル連動型のステーブルコインはドルや短期国債といった流動性の高い資産の裏付けが必要となるという。
■原油先Wブル <2038> 1,645円 (+100円、+6.5%)
NEXT NOTES ドバイ原油先物 ダブル・ブル ETN <2038> [東証EN]が急反発。個別株でも原油市況の動向と株価連動性の高いINPEX <1605> [東証P]や石油資源開発 <1662> [東証P]が強含みの展開となった。イスラエルとイランの軍事衝突で米国が介入を匂わせるなど中東での地政学リスクが再び意識されていたなか、原油価格が再び急速に水準を切り上げており、17日のWTI原油先物価格は3ドル超の上昇で1バレル=74ドル台まで上昇した。これを受けて、株式市場でも関連銘柄を物色する動きが活発化していた。
■Mipox <5381> 518円 (+30円、+6.2%)
Mipox <5381> [東証S]が続急伸。微細表面加工の液体研磨剤を手掛け、データセンターが世界的に建設ラッシュとなるなかで光ファイバー用研磨剤などが業績に貢献する状況となっている。株価は500円近辺で収れんする5日・25日移動平均線を絡め底値圏もみ合いを続けていたが、PER10倍前後と割安感があり、出遅れ修正狙いの買いが向かった。26年3月期はデータセンター関連の需要取り込みによって、会社側見通しが上振れするとの見方もあるようだ。株式需給面では信用買い残が100万株に届いておらず上値の軽さが意識されるほか、自社株買いに前向きな姿勢も買いの根拠となっていた。
■リバーエレク <6666> 505円 (+26円、+5.4%)
リバーエレテック <6666> [東証S]が続急伸。今月11日に上ヒゲで525円の年初来高値をつけたが、新値街道復帰を視野に捉えていた。同社は水晶振動子を主力とする電子デバイスメーカーで電子ビーム封止工法などの独自技術で優位性を持っている。直近発表した中期経営計画では28年3月期に売上高73億500万円(前期実績は56億9800万円)、営業利益7億6900万円(同7500万円の赤字)を目標に掲げており、業績急回復への期待が募る状況にある。また、世界的なAIデータセンターの建設ラッシュが続いており、これに伴い光ファイバーをはじめデバイスメーカーに商機が巡っている。そのなか、売上高の9割を海外で占めるグローバル企業である同社は、大容量データ通信に対応した高周波数製品でも高技術力を有し、今後データセンター向けなどの需要を取り込むシナリオを描いており展開が注目される状況にあった。
■総医研HD <2385> 175円 (+9円、+5.4%)
総医研ホールディングス <2385> [東証G]が続急伸。17日の取引終了後、業務提携先でオンライン健康相談事業を展開するMedifellow(東京都港区)の株式4000株(議決権所有割合3.68%)を取得し、戦略的な資本・業務提携を行うと発表したことが好感された。リモート健康相談から オンライン診療、更に予防・美容医療に至るまで、予防から治療までをシームレスにつなぐ「ヘルスケアプラットフォーム」の構築を加速させるのが狙い。総医研HDの強みである医療界、医学会の幅広いネットワークと、Medifellowが有する全33診療科・500人超の専門医ネットワークを活用し、健康相談・紹介状の発行、オンラインセカンドオピニオンなど、実用性の高いオンライン診療体制を構築するほか、オンライン診療としての機能拡充や、予防・美容領域への展開などを図るとしている。
■セリア <2782> 2,720円 (+108円、+4.1%)
セリア <2782> [東証S]が3日ぶり大幅反発。同社は17日の取引終了後、自社株TOB(公開買い付け)の実施を発表した。創業家の資産管理会社で同社株を33.41%保有するヒロコーポレーションが、現金化を目的に1256万7900株(所有割合16.70%)を売却する意向を示しており、自社株TOBを通じて株式の流動性などに対する影響を抑える。買付価格は1株2000円と、17日終値2612円を下回るディスカウントTOBとなる。セリアは取得した自社株の処分などの方針について、現時点では未定としているが、大規模な消却に踏み切った際には1株利益を押し上げる効果をもたらすことから、投資家の買いを誘う格好となったようだ。取得株式数の上限は1256万8000株で、取得総額の上限は251億3600万円。買付期間は6月18日から7月15日までとする。
■アイズ <5242> 1,903円 (+72円、+3.9%)
アイズ <5242> [東証G]が大幅続伸。同社は17日の取引終了後、中国ネット大手のバイトダンスが運営する「TikTok Shop」の運用支援サービスの提供を開始したと発表。これを手掛かり視した買いが入ったようだ。アカウントの開設から出店に関する各種手続きや、広告の設計や配信、運用の代行などのサービスを提供。TikTok Shopを通じて売り上げを拡大したいとの企業のニーズに対応していく。
■フォーカス <4662> 1,490円 (+52円、+3.6%)
フォーカスシステムズ <4662> [東証P]が大幅反発。18日、記憶力や注意力の軽微な変化がみられる「軽度認知障害(MCI)」の早期発見を目的としたセルフスクリーニングアプリに関し、実用化に向けて臨床研究フェーズに進んだと発表。これを手掛かり視した買いが入ったようだ。同アプリは学校法人京都橘学園と共同で開発を進めており、視線の動きや操作履歴など日常的な行動データをAIで解析するもの。専門的な知識がなくてもMCIの兆候を容易にチェックできる新たな認知評価環境の構築を目指している。現在は倫理審査委員会の承認を得たうえで、取得・収集したデータをもとに統計解析と有用性の検証を行っており、将来的には解析結果をアプリに実装する方針。医療・介護現場や自治体、企業のヘルスケアサービスなどへの展開を視野に社会実装を目指す。
※18日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。
株探ニュース